皆さんが歯学部を志望する動機は何ですか? 言うまでもなく、歯学部に入学した殆どの人は歯科医師を目指すことになります。一口に「歯科」と言っても、治療内容によって様々な専門分野があります。九州大学病院には12の歯科診療科があり、例えば「歯周病科」は歯槽膿漏から歯を守ることが専門ですし、「口腔外科」は親知らずの抜歯やお口の中のガンの治療などが専門です。私はそのうちの一つである「義歯補綴科(ぎしほてつか)」という科に所属しています。「補綴(ほてつ)」とは、失われた機能や形態を人工物で補う治療のことです。「歯が無い・噛めない、でも食べたい」「歯の色・形、見た目を今より良くしたい」─そんな患者さんを対象に、差し歯・入れ歯・インプラントなどで噛めるように・見た目が良くなるように修復し、QOL(生活の質)アップの手助けをするのが役割です。