九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 歯周病学分野
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臨床
外来診療について
歯周病は歯垢(プラーク)中の歯周病原細菌による感染症ですが、糖尿病、動脈硬化、誤嚥性肺炎、低体重児出産などとの関連性もあります。歯周治療は口腔の健康増進、生活習慣病の改善、QOLの向上等に貢献します。

リンク 九州大学病院歯周病科
http://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/shinryo/dent/04/index.html 
得意分野
進行した歯周炎に対しては、外科的治療を行います。歯周組織再生誘導(GTR)法や、エナメルマトリックスタンパク質(EMD)を応用した高度な新しい再生療法を積極的に取り入れています。
診療体制
日本歯周病学会専門医および日本歯科保存学会専門医を含む14名(教員・医員等)が専門的な診療にあたっています。歯周組織再生外来を歯内治療科、全身管理歯科と共同で実施しています。歯周病の治療と並行して、う蝕治療、歯内治療を行っています。
診療方針
歯周病科では、まず十分な検査・診査を行い、プラークコントロールの徹底と深い歯周ポケットの歯根表面に付着している歯石やプラークの除去を行います。再度検査後、改善が十分でない場合は、必要に応じて歯周外科手術を行い、「なるべく歯を抜かずに残す」方針で治療を行っています。
対象疾患
  • 単純性歯肉炎、慢性歯周炎、侵襲性歯周炎:歯ぐきから血が出る、歯ぐきが腫れている、歯ぐきが痛い、歯が動く、口臭が気になるなどの症状
  • う蝕、歯髄炎、根尖性歯周炎:歯が痛い、歯がしみる、噛むと痛いなどの症状
主な検査
歯周組織検査(歯周ポケット測定、歯の動揺度の診査等)、エックス線検査、口腔内カラー写真検査、顎模型検査、細菌検査(根管内、歯周ポケット内)
主な治療
歯周基本治療、歯肉粘膜剥離掻爬手術、歯周組織再生療法(GTR法)、歯肉歯槽粘膜形成術(遊離歯肉移植術、結合組織移植術、歯肉弁根尖側移動術、歯冠長延長術、歯肉弁側方移動術)、ヘミセクション、歯根分割法、歯の再植術、歯の移植術、自家骨移植術、歯根切断法、歯根尖切除術、外科的歯牙挺出 [歯周組織再生療法(エムドゲイン法)については保険診療対象外(自費診療)になります。]
学会施設認定
日本歯周病学会、日本歯科保存学会
【 専門外来の特徴と、診療方針 】
歯周病で壊された歯周組織(歯肉、歯根膜、歯槽(しそう)骨等)の再生を促す、新しい治療を行っています。 歯を支えている歯槽骨の溶け方が軽度の場合、フラップ手術と呼ばれる歯周外科治療で歯周病の進行を止めることができます。歯槽骨の溶け方が著しい場合、通常のフラップ手術では歯周組織の回復が起こりにくいので、歯槽骨が元に戻ることを期待して再生療法を行います。
【患者さんの主な症例】
  • 歯周病の基本治療(スケーリング・ルートプレーニング等)が終わっている方
  • 4mm以上の深い歯周ポケットが残り、エックス線検査で垂直性骨欠損と呼ばれる「くさび状の歯槽骨の溶け方」をしている方
【主な検査:検査名】
・エックス線検査 ・歯周組織精密検査
【主な治療法(手術・処置)】
フラップ手術と、再生療法「GTR法(組織再生誘導法)」、「エナメルマトリックスたん白質を使う方法」の併用です。 GTR法:フラップ手術の際に、歯肉と歯槽骨の間に遮へい膜を置き、歯槽骨と歯根膜が伸びてきて再生させようとする方法です(遮へい膜を除去するための、2次手術が必要になる場合があります)。

エナメルマトリックスたん白質を使う方法:歯周組織の再生を促す働きを持つ特殊なたんぱく質を歯根の表面に塗り、歯根膜や歯槽骨の再生を促す方法です。
 
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認定医・専門医のご紹介 (歯周病専門医、認定医・保存学会専門医)
          
医師名 役職 専門医
西村英紀 教授 日本歯周病学会歯周病専門医・指導医
日本歯科保存学会専門医・指導医
讃井彰一 講師 日本歯周病学会歯周病専門医・指導医
福田隆男 講師 日本歯周病学会歯周病専門医・指導医
山下明子 助教 日本歯周病学会歯周病専門医




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多くの人がかかっている歯周病 ―家庭でできる歯周病管理―


   歯周病はギネスブックに世界で最も多くの人がかかっている病気として登録されています。歯周病が進行すると、歯茎からの出血、歯のぐらつき、口臭、歯茎の腫れや痛みを自覚します。しかし、歯周病は「沈黙の病」とも言われる病気で、病状が進行するまでは自覚症状がほとんど現れません。従って、自覚症状がなくても歯科医院での定期的検診や家庭での管理が必要です。歯周病の管理ができていないと、全身的な病気にまで影響を与えることがあります。
   磨き残しから生じる歯垢(プラーク)は細菌の塊であり、歯周病の原因です。家庭での歯周病管理として、毎日歯ブラシで歯垢を除去することは非常に重要ですし、歯間ブラシや糸ようじの併用も有効です。超音波ブラシや殺菌作用がある洗口液の使用も有用ではありますが、過信は禁物です。就寝前は十分に時間をかけて丁寧に磨いてください。歯周病は体の免疫力が弱まると進行する病気ですから、全身的な体調管理にも気を付けて下さい。写真は歯磨きを一晩だけしなかった時の歯垢で、染色前(左写真)と染色後(右写真)です。
 
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