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ガジャマダ大学サマースクールの参加について(報告)

2018.9.27

カジャマダ大学におけるSummer Course 2018に参加して

歯学部4年 赤松萌

 

 今回、8月20日から31日までというとても短い期間だったが、カジャマダ大学におけるサマーコースに参加した。マレーシア、タイ、台湾からの学生とともに様々な国の教授の講義を聞くことで、インドネシアだけでなく東南アジア諸国、日本における高齢者歯科診療がどのように行われているのかを学ぶことができた。

 その他にも病院や老人ホームを訪問して実際の現場を見学してディスカッションを行い、自由時間にはもちろん観光地にもいくことができた。かなり充実した2週間だった。

留学の動機としては、単に海外における歯科診療がどのように行われているのかという点に興味があったからだ。しかし実際に参加してみてそれ以上の素晴らしい経験を得ることができたと感じている。

 

 まずは歯科に関して、講義やフィールドワークを通じてやはり東南アジア諸国と比較すると日本の歯科は進んでいるし、老人ホームでの治療を見ていてもそもそも衛生環境が違うと感じた。しかし授業のスタイルであったり、日本では聞いたことのないような発想の事業に関する講義であったり、進んでいるな、面白いと感じる点もたくさんあった。こういった中で際立つのは英語の重要さである。日本との違いや驚きに関して話そうとしても、十分に伝えられる程の英語力が自分にはなく、かなり歯がゆい思いをした。しかし、逆に自分の語彙のなさをカバーするために、どのような表現が必要かを考える力は身についたと思う。

 

 それ以上に、このプログラムに参加して得られた一番大きなものは友人である。国籍も宗教も違う学生と、文化の違い、英語力の違いを感じながらも話し、ディスカッションしていく中で、たった2週間とは思えないほどの友情を育むことができた。今後はサマープログラムでできた友人ともっと積極的にディスカッションをするという点をモチベーションに、歯科に関する学びだけでなく、英語ももっと積極的に学んでいきたい。

 


 

UGMsummer programに参加して

歯学部4年 李 昭熹

 

 前年度から釜山大学との交流する機会がありました。私の母国語は韓国語であるので釜山大の方々と韓国語で話すことができましたが、同級生は彼らと英語で会話するところをみて、私は母国語が異なる人と会ったら英語で積極的に話せるか疑問でした。この経験が夏のインドネシアで開かれるサマープログラムに参加しようと思ったことのきっかけでした。

 インドネシアで開催されるサマープログラムの今年のテーマは「高齢者歯科」で、また別の国からも歯学部の学生が来るということで仲良い友達と一緒に応募し、参加が決まりました。

 日程は8/20-8/31となりますが、移動もあるため8月18日に福岡から出発しました。キャッセイパシフィック航空の遅延により香港空港で6時間待ちの上ジャカルタで国内線の乗り換えでターミナルが分からず乗り遅れてしまいました。一緒に行った5人の中で英語が得意な人がいたのでジャカルタの現地で交渉して新しくチケットを購入しました。朝5時半から国際線国内線の空港絵御あれほど走ったのはあれが最初で最後になるでしょう。

 無事ジョグジャカルタに着いたらガジャマダ大学の関係者が迎えに来てくれました。インドネシアのガジャマダ大学の生徒は英語がとても上手で、このプログラムに参加した国はインドネシア、マレーシア、タイ、台湾、日本の5カ国の6校が集まりました。英語の覚悟はしたものの実際英語で話そうとすると思うようにうまく伝えられず、ジレンマを感じてしまいました。タイムスケジュールをもらってないまま次の1日目を迎えました。

 基本的には英語でレクチャーを受けて、合間に観光や懇親会がありました。ある日はcity tourでイスラムでは2大祭りであるイード・アル・アドハーを見ることができました。多くの人は一人の歌声に合わせてお祈りをする光景でした。何万人は同じ方向を向いて同じ気持ちでお祈りをする様子は圧巻でした。イスラム教は1日5回メッカの方向を向いてお祈りをするらしい。私からしたら面倒と思ってしまうが彼らはそれが当たり前で、イスラム教であることが誇らしそうでした。また他の参加者にはヒンドゥー教の方もいましたが、宗教は宗教だけで互いに尊重しているように見えました。

 またレクチャーにおいては様々な国の先生の授業を英語で受けさせてもらいました。先生方の授業の中ではその国の社会的背景がありました。マレーシア国民保険の制度ができるとはいえ、まだ物足りないだろうと思いました。またそこに参加した国の中では日本がトップに高齢化でありました。日本の保険制度や超高齢社会の対策なども伝えたかったが、英語では思う存分伝えられずもやもやすることも多くありました。 

 多くのレクチャーの中でも一番印象に残る授業は日本から来られた佐々木潤先生のお話でした。佐々木先生は自宅医療のスペシャリストです。先生からは超高齢社会に済んでいる私たち、高齢者たちが残りの余命どれほど楽しく生きれるか、余命のQOLを上げることを目標とされてました。佐々木先生の考え方にすごく感化されました。また自分はどんな歯科医師になりたいか考える機会になりました。

 このプログラムを通していろんな国に住んでいる友達ができ、彼らの文化、宗教などに触れられ、自分の世界が広がり、有意義な時間を過ごせました。これからも彼らと連絡を取りながら将来をともに歩んでいける同業者となれればいいなと思いました。新しいことに挑戦するのはリスキーなことではあるが、そのリスクを越えて得られるものも多いです。これからも億劫にならずに挑戦する自分でいたいです。

 


 

ガジャマダ大学デンタルサマーコースに参加して

歯学部4年 岩本悠希

 

 私がガジャマダ大学のサマーコースへの参加を決めたのは、まずインドネシアという国に行ってみたかったということと、日本から遠く離れた東南アジアの歯科医療に触れてみたかったこと、そして英語力が貧しくてもとりあえず英語漬けの環境に飛び込んで自分を鍛えてみたかったことが主な理由でした。

 今回のテーマは高齢者歯科で、インドネシア、マレーシア、シンガポール、日本など、各国の様々な機関でその分野に関わられている先生方に連日講義をしていただきました。そして、高齢者歯科は今後アジアの多くの国において重要度が高まる分野だと改めて学びました。講義以外には、フィールドワークとして老人ホームを訪問しました。利用者のおじいさん、おばあさんは白内障だったり、歯がほとんど失われていたりと生活に不自由がありそうな方が多かったですが、それでも私たちが行くとニコニコしながら出迎えてくださり、穏やかに暮らせる良い環境に思えました。

 フリータイムの日にはみんなで世界遺産であるボロブドゥール遺跡とプランバナン遺跡に行ったり、ジョグジャカルタの観光スポットを巡ったり、ムスリムの文化に触れたり、人気のレストランやカフェに連れて行ってもらったりと観光も満喫し、その中で他の国の参加者との仲もどんどん深められたと思います。ただ、もっと英語が思い通りに話せて伝えたいことを上手く言葉にできていたらもっともっとみんなと仲良くなれていたかもしれないのに…という悔しい気持ちもあるので、この気持ちをモチベーションに、英語力をアップさせるための勉強をしてみようと思いました。

 文化や宗教観は異なっていても、歯科医師を志す同じ学生として、参加者全員が強い仲間意識をもって過ごした貴重な2週間でした。この経験を将来生かせるよう、今後の学生生活も大切にしていきたいと思います。

 


 

UGMサマーコースに参加して

歯学部4年 澁澤伸英

 

 2018年8月20日から31日まで、インドネシアのジョグジャカルタという歴史のある町で、GADJAH MADA大学主催のサマーコースに参加してきました。参加者はインドネシア・台湾・タイ・マレーシアの各大学からと我々5名の合計22名でした。

 このサマーコースは当初予想していたものと全く異なり、部活の合宿のようなハードなものでしたが、個人旅行では絶対に体験できない非常に有意義な2週間でした。特に他国の大学からの参加者や、毎日参加者をサポートしてくれたGADJAH MADA大学の学生諸子から良い刺激を受けることができました。

 また、今サマーコースの主要テーマは“高齢者歯科学”でしたが、各講義は医学・歯学からだけではなく、薬学・社会学・心理学など、様々な分野から講師を招き、幅広い視点から学ぶことができました。休日には市内観光・遺跡観光などにも連れていってもらい現地の文化・歴史を体感することができたのも良い思い出です。私としては珍しく正しい選択をしたな、と帰国後にしみじみと感じております。

 


 

ガジャマダ大学サマーコースを終えて

歯学部4年 安國 鉄平

 

 「2週間、インドネシアで夏休みを楽しもう!」という気分で申し込んだ今回のサマーコースは、ジャカルタ空港での飛行機乗り継ぎに乗り遅れるというトラブルからスタートした。香港で乗り換えた飛行機が大いに遅れ、さらにジャカルタ空港では国際線、国内線の区別が非常に分かりにくく、ジョグジャカルタ行きの飛行機に乗り遅れてしまった。結果、新しい航空券を買わなければならなくなってしまったのは苦い思い出だ。

 さて今回のサマースクールは、「高齢者歯科医療」に関する2週間の集中講義で構成されている。講師の多くが他国から特別講師として招かれている。新潟大学からも歯学部長の前田先生をはじめ、WHOで以前働かれていた小川先生も来られていた。ずっとお会いしてみたいと思っていた先生の講義を聴講でき、また質問にもお答え頂けて、本当に幸運でした。また本校からは、柏﨑先生が講義と激励に来て下さいました。授業は「高齢者歯科」に関して、様々な科目の視点からアプローチするという構成になっている。薬理学、栄養学、社会学、組織学、心理学などの講義を受けたり、病院での実際の患者の診断、治療方針決定のプロセスに参加したり、nursing homeを訪問して、患者の口腔状態の把握、診断を自分たちで行い、今後必要な治療内容をまとめ、プレゼンするという課題を、他国メンバーとチームでこなしていく。

 今回の研修で非常に刺激になったのは、他国学生の臨床経験の豊富さとプレゼン力の高さ、そして、積極的に学ぶ姿勢である。彼らは普段、英語で書かれたテキストを使用し、英語でのプレゼン発表を訓練しているため、医療現場での英語による実務能力が日本とは比べ物にならないほど高かった。他方、日本の大学の教育カリキュラムは基礎科目が多く、研究者の要請も目的としている。従って、ASEAN諸国のように卒業する時点で、一定の臨床スキルを身につけて卒業する学生とは全く異なった環境にいることを知った。

 授業は基本的には英語。日本にいる時から時々、医学系の英語の書籍を読んでいたおかげで、授業の大筋は理解できたし、ディスカッションにも参加できたことは大きな自信となった。もちろん、臨床力は負けている。しかし、原因を分子レベルまで深く考える思考力は日本の方が進んでいると思うし、教育システムの違いを知って、足りない部分を今後補っていく訓練を自分なりに目的意識を持ってこなしていけばいいのではないかと思った。

 今回インドネシアで一番面白かったのは、イスラム文化に触れたこと。非常に多くの市民が朝4時くらいに起床し、1日に5回のお祈りをする。基本的にはみんな穏やかな性格をしていて、すごく優しい人ばかり。あまり仲間はずれの人はいないように見えたし、お祈りなどの共通行事を通じて、多くの人が一定の社会参加をし、地域のコミュニティに属している。他にも、ヒンドゥー教、キリスト教などの宗教も混在している。また、ジョグジャカルタには王政が残っていて、多文化、他宗教統合の象徴として機能している。このような文化の混ざり合う場所に、穏やかな秩序を保っている都市とその市民の気質は非常にユニークで、日本人として学びたいことが多かった。

 ガジャマダ大学の学生、そして学部長、副学部長をはじめ多くの先生は非常に親切に、私たち学生をもてなしてくれた。特に、学生たちの中にはテスト期間中の学生も多く、それでも時間を見つけて、観光を企画したり、講義やセミナーの準備をしてくださった。本当に感謝でいっぱいです。将来、インドネシアの大学から先生や学生が日本に来られるときは、そして、特にガジャマダ大学からのゲストには少しでも恩返しができたらと強く思っています。

 ASEAN諸国は現在経済成長を急速に遂げていて、そのトップの学生たちは非常にレベルが高く、また、お互いの交流、協力関係が強い。正直、日本がその流れにとり残せれている感は否めない。日本もアジアの一員として、地理的な特性を自覚して、個人レベルでも、公的なレベルでも、それぞれの世代が様々な形でASEANの人との友好関係を作っていく必要があることを学ぶ、非常に貴重な機会となった。

 最後になりましたが、今回のガジャマダ大学での研修に当たって多くのサポート、ご尽力を頂きました西村先生、築山先生、歯学部学生係のスタッフの皆様、本当にありがとうございました。また、追試験を別日程で実施してくださった古谷野先生、横山先生、柏﨑先生、和田先生、本当にありがとうございました。

 いつも多くの学びの機会を与えてくれる九州大学に感謝して。