学部学生や大学院生の海外留学(短期も含む)
プログラムと財政的サポートを充実して
留学を積極的に奨励・支援し、また、諸外国からの
留学生の受け入れも促進し、
国際的視野を持つグローバル人材の育成を
目指しています。
九州大学歯学部は世界各地の大学と交流協定を結んでいます。また、アジアを中心に国際医療協力活動を実践しています。インターネットの普及で世界が身近になった今、国際感覚を身につけ、機会を活用し、アイディアを実践した誰もが世界をリードする情報の発信源となりうるのです。
インドネシア大学歯学部は、2019.7.9大学間協定への格上げ(部局間協定は発展的解消)
釜山大学訪問
九州大学歯学部の学生11名が釜山大学を訪問しました。
私はこの3月にインドネシア・ジョグジャカルタ市にあるガジャマダ大学歯学部で行われたサマースクールに参加しました。
「国境を超えて多くの人の口の中を見てみたい、各国の歯科医療事情を知りたい」と日ごろから願っていた私にとっては大きな好機でした。
ガジャマダ大学では、老年精神医学・薬学・栄養学・病理学など様々な講義を受けたり、病院でのカンファレンスに参加したり、医療面接を見学したりと充実した研修プログラムのみならず、観光を通してジョグジャカルタの歴史や政治、文化に触れることができたことも大きな収穫でした。そんな2週間ほどの滞在を通して気がついたのは、自分がいかに単一的な環境に慣れてしまっていたか、ということです。日本は複数の島々からなる国ではありますが、国内に時差はなく言語も日本語ただ一つであり、人種的ルーツや生活環境にさほど大きな違いはありません。
しかしインドネシアは約14000もの島々からなり700を超える民族語が存在する大きな国です。ガジャマダ大学の先生方による講義や病院見学、カンファレンスへの参加を通して、同じ疾患一つ取っても人種的・環境の違いにより症状は全く異なったり、日本では聞いたこともないような症状を示したりすることがあるということを知りました。
さらに学生たちとの密な交流を通して、宗教・人種・民族・言語、様々なルーツを持つ者同士、自然に互いを受け入れ尊重し合う姿に感銘を受けました。
今回のサマースクールで得た気づきをもとに、対人関係においても、そして歯科医師となったあかつきには臨床治療においても、「違ってこそ当たり前」という姿勢で幅広い視野と柔軟性をもって取り組んでいきたいと思います。
私は今回の研修がきっかけでインドネシアへの興味が深まり、インドネシア語を勉強し始めました。いつかインドネシアの僻地歯科診療に参加してみたいと思っています。
観光でインドネシアを訪れるだけでは決して得られない経験・学びを得られるこの素晴らしいチャンスを、皆さんにもぜひつかんで欲しいと思います。
口腔外科では歯科の中の外科領域を主に担当しており、先天的な疾患の治療も行っています。アジア人では比較的頻度の高い口唇口蓋裂という疾患がありますが、口腔外科では長年にわたり、この疾患に対する海外での医療支援活動を行っています。
発展途上国においては貧困や医療体制の不備のため、治療を受けられない人々が数多く存在します。最近では、私達はミャンマー連邦共和国に赴き、1週間と短い滞在期間ではありますが、現地の口腔外科医との協力の下に、口唇口蓋裂の治療と学術交流を行っています。
協力は微々たるものですが、植物の種をまくのと同じで、私たちが手術法や治療のシステムを現地スタッフに伝え、そのことを学んだ現地の人々がさらに後進を育てていけば、小さな種は大きく花開くことが出来ます。