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ファースト・ステップ語学研修について(報告)

2019.10.8

学部

バンクーバーでの短期留学を通して
                      歯学部4年 西並 秋葉

私は、9月9日から27日までカナダ、バンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学の「English for the Global Citizen」という3週間のプログラムに参加しました。このプログラムに参加しようと思った動機は、コミュニケーションツールとしての英語力を向上させたいことと、3週間のホームステイを通して旅行では得ることのできない文化や価値観、考えを学びたいということでした。また、長く夏休みの期間が取れるのが4年生が最後というのもあり、1年生の時から行きたいと思っていた留学に行くことを決断しました。
 このプログラムは、平日の朝9時から16時までクラスがあり、トピックは多文化主義、グローバルコミュニケーション、食に関する問題、メディア、カナダの先住民族、歴史など多岐に渡るものでした。グローバルな新たな知識を得ることができ、刺激的でした。授業では自分が想像していたより、意見を述べたりディスカッションをしたりする機会がかなり多く、スピーキング力も鍛えられたと思います。難しい内容に関して議論をし、日本語でさえ意見を述べるのが難しいと感じるものを英語で表現するのはさらに難しく、もどかしい思いをしたこともありましたが、すごくいい経験となりました。渡航前にTOEICを受験したり、オンライン英会話で毎日会話の練習をしたりしていたので、英語力を伸ばす上でこのような取り組みはとても役に立ったと思います。その効果もあったのか、一番上のクラスに入ることができ、それぞれの個性を持った英語の上手なクラスメイトからも刺激を受けることができました。
 留学前に西村先生からの紹介でブリティッシュ・コロンビア大学の歯学部の先生にメールでアポイントメントを取っていて、現地でお会いすることができました。お忙しい中での面会だったので、1時間ほどカフェでお話しさせていただく形でしたが、将来どのような歯科医師になりたいのか、どのような分野に興味があるのかを聞かれて、将来の歯科医師像を考えるきっかけにもなりましたし、先生にも激励の言葉をいただけて、お会いできてよかったです。
 ホームステイをしたことも私にとってすごく良い経験でした。実際にファミリーの生活の中に入らせてもらうことで、旅行では知り得ない、カナディアンのリアルな文化、また家族の特有の文化をも感じることができました。私のホストファミリーはインド人の方で、お家の中の家具や置物もインドな雰囲気のもので、スパイスもたくさん常備されていて、週末にはカレーやチャイティーなどインド特有の料理を食べ、カナダにいながらインドの文化も感じることができました。学校から帰ってファミリーと過ごす時間も楽しく、勉強にもなりました。時には環境問題や政治に関して意見を交わすような時間もあり、貴重な時間でした。ファミリーも含めカナダの人は環境のことをとても考えていてそれに基づいた生活をしていました。例えば、細かいゴミの分別や、カフェなどでもプラスチック製品の代わりにリサイクルできる素材を使っていたり、ベジタリアンやヴィーガンの人も多く、新たな発見となりました。実際にホストマザーはベジタリアンで、動物が殺されるのはかわいそうだから、また食肉の生産には水や熱などのエネルギーを使い、二酸化炭素の放出も多く環境に悪いからという理由なのは、自分にはない価値観で驚きでした。
 また、バンクーバーという街もとても魅力的で3週間滞在できて本当に幸せでした。海と山に囲まれた街なので、大きな都市でありながら、自然の美しさを感じ疲れを癒すことのできる、住みたいと強く思う街でした。移民を多く受け入れている国なので、街には数え切れないほどの国のレストランがあり、様々な国の文化が融合している印象で、日本にはない雰囲気でした。放課後にはバスで色々なスポットを周ったり、多国籍の料理を食べたり、充実した毎日でした。
 この留学を振り返って、とても有意義な3週間となり、本当に良い経験をすることができたと思います。留学前よりは確実に英語力は向上したと思いますし、新たな価値観や知見を得ることができ、自分自身を見つめる時間にもなりました。歯科医師になってからも海外留学をしたいと思っているので、今回のこの経験は大きな糧になると信じています。今後も歯学の勉学に懸命に励む事はもちろん、広い視野で様々なことに関心を持ち、向上心を忘れずに努力を続けていきたいと思います。
 最後になりましたが、今回の留学に当たって助言をいただいた築山先生、西村先生ありがとうございました。また、背中を押してくれた家族、現地で出会った全ての新しい出会いにも感謝の気持ちでいっぱいです。