九大歯学部Voice

九大歯学部Voice

九大歯学部 Voice#02

大学院 4年生

歯科医療の未来は明るい

歯学を志した理由

写真私が歯学を志した理由は、歯が悪いためにご飯を美味しく食べることができなかったり、笑うことができなかったりする人の力になりたいと思ったからです。私の祖母はいわゆる総入れ歯で、痛い、しゃべりにくい、と昔からよく言っており、祖母の力になりたいという思いから歯科医師に興味を持ちました。歯科医師について調べると、虫歯の痛みを治すだけではなく、歯を失くした所に入れ歯などの作り物の歯を入れて見た目にも機能的にも回復させ、さらには全身の健康状態も改善させることができると分かりました。私は祖母のように歯を悪くして困っている人々の生活の手助けができるような歯科医師になりたいと考え、歯学部受験を希望しました。中でも九州大学は、総合大学であるため様々な分野の人と交流でき、かつ研修施設の九州大学病院は医科歯科連携体制が整っているため全身との関連を学ぶことができると考え、九州大学歯学部への進学を志しました。

この研究が将来歯科医療の発展に貢献することを夢見て

写真歯の周りの組織や骨が虫歯や歯周病で大きく損傷してしまった場合、通常の治療法で治すことは困難で、最悪の場合抜歯になる可能性があります。その際、骨を再生するとの研究報告があるR-spondin2という因子を、歯と歯の周りの骨をつないでいる靭帯である“歯根膜”の中の細胞に作用させることによって、歯の周りの組織や骨の再生が可能になるのではないかと考えています。現在までの研究で、R-spondin2は歯根膜の細胞を骨を作る細胞に変化させることができると分かりました。今後はその細胞が骨の損傷部位において骨を作ることが可能なのかを検討していき、損傷してしまった歯の周りの組織を効率よく再生することができる方法の確立を目指していきます。私はこの研究が将来歯科医療の発展に貢献することを夢見て研究を続けています。

患者さんの口の中を全体的に、永く守ることのできる臨床医になりたい

写真私は大学院の4年間「歯の保存」にこだわった歯科治療と研究について追及してきました。今後は、現在の研究内容をさらに追及し、歯の周りの組織を再生できるような薬の開発を目指すと同時に、研究で身につけたリサーチマインドを活かして治療にも応用したいと考えています。歯周病や虫歯で歯を失ってしまった方は世の中に多数いらっしゃいます。そして歯を1本失うと、口の中の状態が全体的に不安定になり、長期的には多数の歯を失うことにつながります。これらを防ぐため、私は「歯を残すための治療」そして、歯を失ってしまった場合でも患者さんが健康に生活できるように「歯の機能を回復する治療」を追及し、患者さんの口の中を全体的に、永く守ることのできる臨床医になりたいと考えています。また歯科医師過多と言われる昨今、得意分野を持つ“プロフェッショナルな歯科医師”が重要になると思われるため、認定医および専門医を取得したいと考えています。

メッセージ

歯科医師は困っている患者さんの歯を治療して痛みや悩みを改善することで、患者さんを笑顔にすることができます。そして、患者さんが笑顔になると、私自身も笑顔になることができ、とてもやりがいを感じることのできる仕事だと実感できました。九州大学歯学部に入学したら、歯科医師になりたいという強い気持ちを持った仲間たちと高い目標に向かって多くの事にチャレンジし、ともに力を合わせて努力する日々が待っています。さらに、現在の技術や材料では治せない歯の病気に対する最先端の研究に携わることができます。私は歯科医療の未来は明るいと考えています。夢と希望を持ってともに頑張りましょう。将来皆さんと働くことができるのを楽しみにしています。