生体材料学
日本発世界初の歯科材料を歯科臨床へ
当分野は1969年に開設され、2019年には教室開設50周年を迎えます。
歯科材料は歯科臨床の要の一つです。しかしながら現在の歯科材料は理想には程遠い状況にあります。例えば、歯科インプラントを前提とした人工骨補填材は承認されていませんでした。
当分野では、「骨はハイドロキシアパタイトではなく、炭酸アパタイトである」ことに着目し、溶解析出型組成変換反応で炭酸アパタイト骨補填材を調製することに世界で初めて成功しました(日米欧などで特許取得済)。また、炭酸アパタイト骨補填材は自家骨と同様に骨に置換されること、ハイドロキシアパタイトと比較して圧倒的な骨伝導性を示すことも示しました。
2017年に炭酸アパタイト骨補填材は、我が国で初めて、インプラントを前提とした荷重部位を含め、すべての歯科・口腔外科領域で用いることができる骨補填材(ジーシー サイトランス グラニュール)として承認を得ました。
他にも骨補填材を固める顆粒セメント、プラスチックであるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)にチタン以上の骨伝導性を付与する研究も実用化段階にあります。
これからも「日本発世界初の歯科材料を臨床現場へ」を進めて参ります。